今回は様々な『欝』漫画を選んでみました。
エグかったり、胸くそ悪かったり、後味悪い、そんな漫画に興味がある方も多いはず、今回は思わず目を覆いたくなるような、それでも見るのを止められない、まったく救われないバッドエンドで終わる作品、読者の胸になんとも言えない後味を残していく作品をご紹介していきます。
- みんなのトラウマ回はどれ?
- 『血の轍』
- 『スパイダーマン』
- 『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』
- 『ぼくらのへんたい』
- 『サユリ』
- 『洗礼』
- 『先生の白い嘘』
- 『ウツボラ』
- 『船を建てる』
- 『ちーちゃんはちょっと足りない』
- 『外れたみんなの頭のネジ』
- 『フランケン・ふらん』
- 『凪のお暇』
- 『最終兵器彼女』
- 『狼の口 ヴォルフスムント』
- 『人間仮免中』
- 『空が灰色だから』
- 『四丁目の夕日』
- 『天人唐草』
- 『おやすみプンプン』
- 『デビルマン』
- 『捨てがたき人々』
- 『校舎のうらには天使が埋められている』
- 『きみが心に棲みついた』
- 『ワッハマン』
- 『死役所』
- 『僕の小規模な失敗』
- 『デュエル・マスターズ』
- 『舞姫 テレプシコーラ』
- 『狂四郎2030』
- 『卑怯者の島』
みんなのトラウマ回はどれ?
『血の轍』
- ジャンル サイコサスペンス・青年漫画
- 作者 押見修造
- 掲載誌 ビッグコミックスペリオール
- 巻数 既刊15巻(2021年1月現在)
あらすじ☑
母・静子からたっぷりの愛情を注がれ、平穏な日常を送る中学二年生の長部静一。しかし、ある夏の日、その穏やかな家庭は激変する。
母・静子によって。狂瀾の奈落へと!
『毒親』をテーマにした漫画
究極の過保護、子煩悩と究極のマザコンが合わさったゾッとする物語
異常なまでの執着と真実さえ曖昧にするほどの依存、まるでその場にいるかの様な臨場感と緊張感が表現され、凄まじく不気味で奇妙な空気が物語を支配している。
巻を追うごとにヤバさが増していく毒親物語。本当に不気味な作品。
全てにおいて異常な漫画
『スパイダーマン』
- ジャンル 青年漫画
- 原案 マーベル・コミック『スパイダーマン』
- 作者 池上遼一
- 掲載誌 月刊別冊少年マガジン
- 巻数 全8巻
あらすじ☑
小森ユウは、実験の最中、偶然にスパイダーマンの能力を得る。
その直後、ペンフレンドのルミが上京。母親の入院費(100万円)の相談のため、兄を探すが、川崎の自動車修理工場を辞めた兄は、レーサー、ボクサー、ジャズメンと、職を転々としていた。
マーベル本家とは全く異なる池上遼一版の「スパイダーマン」。
ピーター・パーカー=小森ユウであり、ニューヨークが東京に置き換えられる、という構図で描かれたオリジナル作品。
今読んでも充分に通用する「ヒーローとは何か」へのシリアスなテーマ。
公式の正式な快諾を経て描かれた作品だが、原作者のスタンリーが若干苦言を申すほどのクソ重いシナリオで、簡単に説明すると、主人公が責任を背負わされた重圧に耐えきれず精神的にぶっ壊れる、一般に「暗い」「救いがない」と言われる世界観
基本的に重く途中から救いのない壮絶な鬱漫画になる
『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』
- ジャンル 推理/ミステリー
- 作者 桜庭一樹 杉基イクラ
- 巻数 上下全2巻
あらすじ☑
現実主義の女子中学生・なぎさと、自分を人魚だと言い張る不思議な転校生・藻屑。
2人の少女の出会いが、甘く切ない思春期の痛みを呼び寄せる。
現実主義な主人公が、自称人魚の転校生と出会って、てんやわんやあるお話。
ジャンルはサスペンス、「少女のバラバラ死体」が発見されたという結末が分かった状態で、それまでの過程を描く構成。終始陰鬱で最高
美麗な画と、少しふわっとしたタイトルからは考えられないほど暗い、田舎の日常風景、ありふれた日々なのに、些細なきっかけですべてが狂ってしまう、そんな子どもの日常という戦場を感じる、哀しくも身に覚えのあるお話。
鬱エンド。鬱エンド。読み終わった後胸がずーんとなる
『ぼくらのへんたい』
ジャンル 青年漫画、LGBT
作者 ふみふみこ
掲載誌 COMICリュウ
巻数 全10巻
あらすじ☑
主人公は女装癖のある3人の中学生男子。
純粋に女の子になりたい、まりか=青木裕太。
死んだ姉の身代わりとして母親を慰めるために女装する、ユイ=木島亮介。
恋した先輩に求められるままに女装を続ける、パロウ=田村修。
それぞれに傷つき、悩み、胸ときめかせながら、思春期の日々を懸命に生きている。
そんな3人が出会ってしまったとき、物語は動き始める――…
それぞれの理由で女装をしている3人の男子中学生のお話。
それぞれ事情を抱えて女装をしている3人の男の娘を中心に、悩める少年少女のもつれ、同性愛や性への矛盾やトラウマ家庭のことや自身の性についてのそれぞれの葛藤が描かれ、序盤の暗さから想像もつかない位キャラが葛藤を抱えながらも成長していく姿には感動すら覚える。
妙によそよそしい鬱展開が刺さる、刺さる
『サユリ』
- ジャンル サスペンス/ホラー
- 作者 押切蓮介
- 掲載誌 コミックバーズ
- 巻数 全2巻
あらすじ☑
この家に住んでた人って…どんな人だったの…?
夢の一戸建てマイホームへと引っ越した神木家。
しかし、家族7人揃ってのありふれた幸せを満喫する間もなく次々と不幸で不気味な出来事がこの一家にふりかかる…。
呪われた幽霊屋敷を買ってしまった家族と、怨霊サユリの対決を描いた物語
なすすべも無くサユリに家族が殺されていく、救いのない展開だが大半の家族が殺された後に、突如痴呆症だった祖母が覚醒し無双、主人公と2人で反撃に転じる激熱なお話
1巻で頂点まで達した『幽霊の怖さ』を2巻の『生きてる人間の恐さ』で打破していくカタルシスが凄過ぎる。もはやこの作品は映画化してほしい。
ばーちゃんが強すぎて笑ってしまうww
『洗礼』
- ジャンル ホラー
- 作者 楳図かずお
- 掲載誌 週刊少女コミック
- 巻数 全4巻
あらすじ☑
幼い頃からその美貌でスター街道を歩み、永遠の聖美女と呼ばれる女優・若草いずみ。
だが、人知れぬ彼女の素顔には、残酷な老いの痕がはっきりと広がっていた。
美しさを失うことを異常なまでに恐れるいずみは、ある夜絶望から半狂乱となり、幼いころからの主治医であるひとりの男を自宅へ呼ぶ。
そしてその夜から、“永遠の聖美女”は突然自分の子供を欲しがり始め…?
脳みそ交換がお好きなら楳図かずおの「洗礼」
絶世の美貌と称えられた女優が自らの老いにおびえ若返るために子供を生んでその子供に自分の脳を移植しようと・・・ってところから始まるお話
楳図かずおらしい女性心理の描写、忘れられないトラウマ漫画の一つ。
『先生の白い嘘』
- ジャンル 青年漫画
- 作者 鳥飼茜
- 掲載誌 月刊モーニング・ツー
- 巻数 全8巻
あらすじ☑
原美鈴は24歳の高校教師。
生徒を教師の高みから観察する平穏な毎日は、友人・美奈子の婚約者、早藤の登場により揺らぎ始める。
二人の間に、いったい何があったのか?
友達の彼氏に性暴力を受けながら教え子の男子高校生に恋されるお話で、複数のキャラの視点から男女の性の不平等を描いた、闇が深く重い物語
男の感想が知りたい。というか、これをすんなり読める男はいないと思う。
かなり踏み込んで性暴力の問題を扱った作品なので、生半可な気持ちで観るとめっちゃ気持ち悪くなるしつらい、作者自身も巻末にコメントで「擦り減らしてます」ってあるけど、心身を擦り減らしている感が伝わって来る渾身作になっています。読む方もそれなりに削られる。重い。
男と女。性。暴力。支配。蹂躙。
『ウツボラ』
- ジャンル 推理・ミステリー
- 作者 中村 明日美子
- 巻数 全2巻
あらすじ☑
謎の死を遂げた美少女「藤乃朱」。
入れ替わるように、「朱」の双子の妹と名乗る少女「桜」が、作家・溝呂木の前に現れるも、彼女の正体は一切不明。
二人の点をつなぐ作家・溝呂木は、盗作に手を染め深い闇に追い詰められていく。
そして事件の謎を追う編集者と刑事たち。彼らの間を蠢く謎は深まるばかり--。
頭から投身自殺したため顔が潰れた遺体、そしてその自殺した女の双子と名乗る女が現れ・・・というお話
タイトルのウツボラは作中の小説のタイトル。
作者が自殺する所からスタートし、作品に関わる盗作した作家、作者の妹、刑事、編集者はそれぞれ何か隠し、闇を抱えている登場人物が交差する複雑な展開、妖艶な黒髪女性のビジュアル、美麗な絵で最高に最低な気持ちになれる
こんなに鬱になる漫画もあんまりないなって思う
『船を建てる』
- ジャンル ファンタジー
- 作者 鈴木 志保
- 巻数 全7巻
あらすじ☑
アシカの煙草たちが、出会いと別れ、生と死などを通し、大切なものに気づいていく哲学的作品。
二頭のアシカを主人公に、アメリカ文学作品・音楽をベースとした一話完結の作品、絵本のようなタッチで、残酷な描写ではなく残酷な運命をモノクロで描く
一見キュートなアシカや動物たちの物語なのに、不思議な魅力をたたえた漫画、長らく絶版だったのが近年再販されまして。電子版もあるよ。
不思議で不条理で可愛いくて洒落ていて、なんとも説明が難しい作品。
『ちーちゃんはちょっと足りない』
- ジャンル 日常、学園
- 作者 阿部共実
- 掲載誌 もっと!
- 巻数 全1巻
あらすじ☑
成績、お金、恋人、友達、いつも何かが足りない気がする中学2年生女子のちーちゃんとナツ。
2人はクラスの中で成績優秀な友達・旭や、学級委員に助けられながらも、普通の日々を送っていた。
何かが「足りない」毎日を送る中二女子、ちーちゃんとナツの物語…
なにもない「平凡さ」に圧迫され続ける青春。クラスカースト、発達障害を思わせる描写、経済的貧窮、描写があまりにリアルで…鬱。脳内に霞がかった閉塞感が垂れ込める
死・暴力・病気・いじめ・災害・人の悪意などの"THE・鬱"な表現が一切無いのに、読み終えると死にたくなるところ憂鬱な気分になるような一冊の中に詰め込まれた人間の感情に寒気がした恐ろしい作品だった。
「心がざわつく」という著者へのコピーに違わぬ、これ以上ないくらい感情が揺さぶられる作品。
『外れたみんなの頭のネジ』
- ジャンル サイコ、ホラー
- 作者 洋介犬
- 掲載サイト GANMA!
- 巻数 既刊13巻(2022年4月現在)
あらすじ☑
主人公・七尾ミサキは、住んでいる街のみんなが、少しずつ狂っていることに気づきはじめる…。
そんな中、彼女にしか見えない謎の悪魔・べへりんが現れ、街の人々の寄行や凶行に次々と襲われていく――。狂っているのは自分自身もではないのか…?
一体何を信じれば良いのか!?
狂ってしまった世界とその中心にいる主人公の話
サイコホラー的な感じで心霊的なものではなく人間ホラーもの
『世にも奇妙な物語』みたいに怪奇な話が単発である感じの作品
登場人物が全員キチっており、生理的嫌悪や恐怖を掻き立てる演出が巧みで、内容が結構心にくる…、人間の悪意が詰めこまれている漫画
『フランケン・ふらん』
- ジャンル 人体改造、ホラー、コメディ
- 作者 木々津克久
- 掲載誌 チャンピオンRED
- 巻数 全8巻
あらすじ☑
ふらん復活! あの美少女天才外科医が帰ってきた! 彼女のメスが生むのは、奇跡か、恐怖か…!
継ぎ接ぎだらけの人造人間のふらんが人体改造で人助け(?)をするお話
ブラックジャック並みの医療技術を持ちながら倫理観が一切ついてこなかったフランちゃんが、善意と好奇心から人を助けたり、手に負えなくしたりする内容
〝善意〟で患者を芋虫にしたり脳ミソ取り出したりとかなりグロいので上級者向け、風刺やブラックジョークがてんこ盛り、ブラックジャックのアンチテーゼ的作品
表紙のエロさに惹かれて購入した少年にトラウマを植え付ける
『凪のお暇』
- ジャンル ヒューマンドラマ
- 作者 コナリミサト
- 掲載誌 Eleganceイブ
- 巻数 既刊10巻(2022年8月現在)
あらすじ☑
場の空気を読みすぎて、他人にあわせて無理した結果、過呼吸で倒れた大島凪、28歳。仕事もやめて引っ越して、彼氏からも逃げ出したけど…。元手100万…
無理して頑張っていたけど色々あって過呼吸で倒れちゃったOLが、会社を辞めて人間関係を断ち切って、ゼロから新しい生活を始めるお話。
ほのぼのしてる中に毒の混じった作風で、人間関係や心理描写が秀逸
ほのぼのしてる中に毒の混じった作風が味わい深く、人間関係や心理描写を楽しめる、特に主人公の母親に対する植え付けられた対応などネガティブな心理描写巧み。
主人公母親の自分の境遇に対する絶望感は胸が苦しくなる。ドラマ化もされたので有名ですが、紙で読む『凪のお暇!』も中々に刺激的(鬱)
上流パリポな人間関係、メンタルがやられていく描写とか内容の逐一がとても濃い
『最終兵器彼女』
- ジャンル SF、終末もの
- 作者 高橋しん
- 掲載誌 ビッグコミックスピリッツ
- 巻数 全7巻+外伝1巻
あらすじ☑
ぎこちなくも清純な交際をしている高校生、シュウジとちせ。
札幌が突然の空爆に襲われたある日、シュウジは思いも寄らない姿に変身していたちせに出会った。
背中から羽が生え、空をマッハ2の速度で飛び、とてつもなく破壊能力を持つ、自衛隊によって改造された“最終兵器”。
それがちせだった。
戦争の最終兵器になってしまった女の子と、彼氏が普通の恋愛をしようともがく物語
柄からアホっぽい萌え系かと思ったらアホ設定なだけで中身は鬱、終始重苦しい。
エヴァっぽいテイストなんだけど絵背景説明が極端に省略されていて、〝どこ〟と〝どこ〟が戦争してんのか最後まで分からず、SF戦争ものかな?って思ってたけどガッツリ恋愛もの最後は皆殺し“うるせぇ~重要なのは恋愛だ!”って感じの作品。
少しだけ見えた希望や理想が粉々になる瞬間の寂寞感がとても素敵で魅力的
『狼の口 ヴォルフスムント』
- ジャンル 青年漫画 歴史
- 作者 久慈光久
- 巻数 全8巻
あらすじ☑
14世紀初頭、アルプス地方。イタリアへと通じるザンクト=ゴットハルト峠には、非情な番人が守る関所があった。
難攻不落をもって知られるその場所を、人々はこう呼んだ。ヴォルフスムント―――“狼の口”と。
中世のアルプス山脈、ハプスブルク家の残虐な圧政とスイス人の反乱のお話。
人間は、今の見せかけの平和を得るのにどれだけ血みどろの歴史を歩んだか国境は歴史の傷口。「関所」を舞台に、人を見抜く洞察力が凄まじい悪代官がレジンスタンスをその関所で見つけ残虐に処刑していく徹底的鬱展開で、徹底的に抑圧される
ご都合主義が全くなく徹底的な抑圧と、残酷さと非道さ、歴史の薄暗い部分が生々しく描かれていて、ただ惨い流血描写が頻出するのと、主要キャラの死亡率が異様に高く、「自由」のために戦う人が無残に死んでゆく場面が多いが、想いは受け継がれてゆく。
狂い咲く人間の証明。スイス独立戦争の話。
『人間仮免中』
- ジャンル エッセイ
- 作者 卯月妙子
- 巻数 全2巻
あらすじ☑
夫の借金と自殺、自身の病気と自殺未遂、AV女優他様々な職業…
波乱に満ちた人生を送ってきた著者が36歳にして出会い恋をした、25歳年上のボビー。
男気あふれるボビーと、ケンカしながらも楽しい生活を送っていた。
そんなある日、大事件が起こる――。
統合失調になった作者さんのエッセイ漫画
インパクトある経歴(20歳で結婚後に夫の会社が倒産、借金返済のためにホステス、SMストリッパー、カルト系AV女優として働くが、その後夫は投身自殺。幼少の頃から患っていた統合失調症が悪化し、ストリップ劇場のステージ上で自ら首を切り救急車で運ばれる。)統合失調症により入退院を繰り返し、自殺未遂で歩道橋からダイブ顔面は崩壊し片目は失明…統合失調症含む様々な障壁に苦しむ著者の壮絶な人生体験記
画は最低。幻聴・妄想と、顔が一旦壊れた状態が混然一体となった独特な話法、刺激的なので余り薦めない、読了するにはかなりの気力を要します。
壮絶すぎて読んだあとしばらく何も手につかないほどいろいろ考えさせられる。
そんじょそこらの壮絶人生と一線を画す壮絶さ
『空が灰色だから』
- ジャンル 日常
- 作者 阿部共実
- 掲載誌 週刊少年チャンピオン
- 巻数 全5巻
あらすじ☑
10代女子を中心に、様々な人間のうまくいかない日常を描くオムニバス短編集。
思春期をえぐる10代〜20代の女の子が主人公の世にも奇妙な物語
毎話ごとに一人のキャラにスポットを当て、浮き彫りにしていきキャラ造形を作る。青春、ギャグ、ホラー、スッキリする話から後味悪い話まで、心を抉る話が多く、間々に挟まれる日常とか青春とかが心を引っ張り出してくる。
青春時代のモヤモヤしたモノを煮詰めて凝縮したようなストーリーが永遠と続く、鬱展開が殆どで突き刺さるような心理描写が多いので延々とみぞおちを殴られ続ける。
心のどこかをざわつかせる、惨く儚い、人間の生理的な嫌悪感を沸き起こす。
『四丁目の夕日』
- ジャンル 鬼畜漫画
- 作者 山野一
- 掲載誌 月刊漫画ガロ
- 巻数 全1巻
あらすじ☑
平々凡々に生きている主人公・たけしはある日暴走族に襲われる。
その日、家に帰ってみれば、母親は大けがをして救急車で運ばれてしまったのだ。
以降、これでもかこれでもかというくらい不幸がたけしを襲う。
たけしは大乗仏教的とさえ思える「不幸の無間地獄」へと落ちていくのだった……。
真面目な少年とその家族がどんどん転落し、人生が潰れていく酷く残酷な漫画、「人間、どう不幸になったってここまで不幸になるものじゃない」ってキャッチフレーズの作品で、エネルギーを吸い取られる内容。
どん底の鬱で、途中猛烈な不快感や吐き気に襲われる
ひたすら陰鬱で、メッセージ性はない。カタルシスもない。
リアリティも社会批判も寓意性もない。ただ強烈に暗い“最強の鬱漫画”
当記事で紹介している漫画で“キングオブ鬱漫画”はコレ!
『天人唐草』
- ジャンル グラフィックノベル
- 作者 山岸凉子
- 掲載誌 週刊少女コミック
- 巻数 全1巻
厳格な父親に抑圧されて育てられた少女の顛末を描いた作品
主人公は「男に媚びた色気」を否定するような厳格な父親に育てられた娘さん。
厳格な父親のいいなりの人形だった主人公が、自己肯定感と主体性を獲得しそこね、恋愛で失敗し、さらに父親が死後「男に媚びた色気たっぷりの」愛人を長年囲っていたことが解り彼女の精神は崩壊し、少しずつ狂っていく物語。
発狂する主人公を一方的な毒親の被害者とは描かず、親の支配を回避のチャンスがあっても掴めずに悲劇へ向かわせる容赦のなさ、読者へ問いかけるような描き方が凄い
ラストが衝撃的過ぎて脳味噌に染み付いてしまう…
「毒親」という言葉がない時代に描かれた傑作
※多様性を描いた!トランスジェンダーやフェミニズムを題材にした漫画15選 - nounashi.manga
『おやすみプンプン』
- ジャンル 青年漫画・日常
- 作者 浅野いにお
- 掲載誌 週刊ヤングサンデー→
- 巻数 全13巻
あらすじ☑
父が蒸発、母は入院。残された少年の名前は「プンプン」。或る街に住む「フツーの」少年の、波瀾万丈の人生をおった成長の物語…。
陰鬱とした世界の中で、様々なことを経験しながら、自分と戦い、葛藤しながらも成長していく、主人公と周りのキャラクターたちのお話
人間の闇の部分や弱い部分が上手く描かれていて、読んでいて鬱になる。最初読んだ時、頭おかしくなるかと思いました(白目)
読んだ人の心に傷と感動を残します。独特の画力と予期できない鬱ストーリー、キャラ設定、作品としての奥深さ、どれを取っても間違いなく唯一無二の作品。
最後まで読んだらただならない虚無感と、賢者タイムが来る
『デビルマン』
- ジャンル ダーク・ファンタジー
- 作者 永井豪
- 掲載誌 週刊少年マガジン
- 巻数 全5巻
あらすじ☑
両親が海外赴任となって牧村家に下宿している学生・不動明。彼は休み時間も図書室で過ごすようなおとなしい男の子。
牧村家の長女・美樹と共に平穏な生活を送っていた明は、ある日不良に絡まれる。ふたりを救ったのは明のかつての親友・飛鳥了だった。
再開を喜ぶこともせず、了は明に不穏な告白を始める……。
悪魔の力を手にした主人公が「デビルマン」となり、人間になりすます悪魔と闘う物語
独りで世界滅亡の真実を知り独りでデビルマンとして戦い続け、最後に人間に絶望していく主人公、人間の弱さと醜さを徹底して描き尽くした神がかりな筆致
全5巻に詰め込まれた人と悪魔の壮大な物語と、人間の正義が崩れる恐ろしいテーマ、「真の悪魔は守るべき対象の人間」というバッドエンドっぷりは後世に語り継ぎたい、人間の欲や醜さ、裏の弱い冷酷さなどが描かれていて非日常が味わえる。
全5巻に主役された不朽の名作。
『捨てがたき人々』
- 作者 ジョージ秋山
- 掲載誌 ビッグゴールド
- 巻数 全5巻
あらすじ☑
「なんだか生きてんの飽きちゃったなあ」。
職を失い、生まれ故郷に帰ってきた狸穴勇介。
不細工で、金も仕事も夢もなく、考えるのはセックスのことばかり。
心の荒野を彷徨っていたある時、勇介は微笑みの宗教「神我の湖」に傾倒する京子と出逢い、執拗なストーキングの末にレイプする。
二人は互いに嫌悪し合いながらも離れることができずに姦通を繰り返すようになるが……
長崎の五島列島の舞台に、クズ男が弁当屋の女を孕ませ、産まれた子に嫌われる話。
デブで不細工で世間を呪い性格も最悪な男の、どこを切ってもどうしようもない救いもない、厭世と情念と哀しみに満ちた作品。
世の中の人々がまるで暗黙の了解であるかのように「そこは触れないで」と思っているような部分を、漫画というフィルターを通して赤裸々に描いてしまった作品
テーマは「人間は食いもんとセックスと金のことだけが大事なんだ」です。
『校舎のうらには天使が埋められている』
- ジャンル サスペンス、サイコスリラー
- 作者 小山鹿梨子
- 掲載誌 別冊フレンド
- 巻数 全7巻
あらすじ☑
――理花(りか)は引っこみじあんな女の子。
やっとできた友だちとはなれ、赤ヶ瀬(あかがせ)小学校に転校してきました。
「新しい学校で、新しい自分にかわりたい!」と意気ごんできたものの、なかなか勇気をだせません。
そんな理花に最初に声をかけてくれたのは、勉強も運動もできる、かんぺき美少女のあいちゃんでした。
「ようこそ4年2組へ!君も今日からぼくらの×××だ!」
小学校のいじめをテーマに、1人のモンスターとその取り巻きたちのお話。
少女漫画で可愛らしい表紙からは想像もつかないようなドス黒いお話で、容赦が無いハイパー怖い。割とドン引きするレベルでやばい。
鬱鬱鬱鬱&鬱!!サイコパス!鬱!って精神タコ殴りにされるけど心理描写がリアル、子供達の心理や背景にある家庭環境、いじめに対抗する先生や生徒の心の葛藤、様々な観点からいじめを見つめていく作品。
あらすじに「生き延びることができるのでしょうか──」とか書いてある漫画
『きみが心に棲みついた』
- ジャンル 恋愛
- 作者 天堂きりん
- 掲載誌 Kiss PLUS
- 巻数 全3巻
あらすじ☑
下着メーカーで働くキョドコこと小川今日子(おがわきょうこ)は大学時代の想い人・星名(ほしな)に職場で再会。
一度は他の男性を好きになれたはずなのに、自分を傷つけ支配していた星名の呪縛がその気持ちよりずっと強かったことに気づいてしまう。
ふたたび星名という迷宮に自らハマり込んだキョドコとは裏腹に、星名は彼女の後輩と関係を持ち、キョドコの仕事さえも思惑通りに操って───?
中身は男に依存して逃げたくても逃げられない囚われ女の子が主人公。
心をえぐられるような『依存』をテーマに、依存症が病的な域に達しているヒロインが、デートDVを駆使する男に付き纏われている。という状況の物語
主人公の元彼のルックスや能力は魅力的に描かれているけど、中身ドロドロ真っ黒なモラハラバケモノ、主人公はその昔の恋人のことがトラウマでその人の顔を見たり触られたりするとトラウマを思い出して過呼吸になっちゃうみたいな設定
主人公にイライラして、読んでも読んでも泥沼過ぎて救いがない
『ワッハマン』
- ジャンル SF/ギャグ
- 作者 あさりよしとお
- 掲載誌 モーニングパーティ増刊』『月刊アフタヌーン』
- 巻数 全11巻
あらすじ☑
1万年前より蘇(よみがえ)りし究極の戦闘マシーン・ワッハマン。
その体は鋼鉄より硬くその力は恐竜よりも強い。
だが彼はその使命を完全に忘却してしまっていた。
アトランティスの超テクノロジーで作られたサイボーグが、記憶なくして現代日本で日雇い生活をしつつ、時々邪魔しにくる刺客を笑いながらボコるコメディ
序盤はよくある下ネタギャグだが、最後にいきなり伏線を全部繋げて来るゾクゾク感と、少量の想像の余地を残す手法。後半のたたみかける緊迫感は一見の価値あり、不死のヒーローの敵との闘いがストーリーの核となり不死の孤独については少し触れられる程度だが、その少しが、異様な存在感がある漫画。
不死身のサイボーグであるがゆえの悲劇を描いており、ラストは虚無
ラストまでの流れは日本マンガ史に俺が残すレベル。この作品はオンリーワン。
※【俺tueee】おすすめ主人公最強漫画40選【チート無双で爽快】完結作~最新作まで厳選紹介 - nounashi.manga
『死役所』
- ジャンル 青年漫画
- 作者 あずみきし
- 掲載誌 月刊コミック@バンチ
- 巻数 既刊22巻(2022年12月現在)
あらすじ☑
お客様は仏様です。
此岸と彼岸の境界に存在する、死役所。
ここには、自殺、他殺、病死、事故死……すべての死者が訪れる。
罪無き者は、天国へ。罪深き者は、地獄へ。あるいは――。
“助けたこと、後悔してるんです。
こんなことを考えてる、自分が嫌で…”命を棄ててまで、守りたいものはありますか?
死刑執行者があの世で成仏の手続きをする死役所という舞台のお話。
死に方は色々あるけど理由も後悔も沢山ある。死んだあとの人間がどんな思いで死んだのか、どんなふうに残された人達を思うのか…
そういった事が物語として描かれていて感慨深い作品
死役所職員は全員死刑囚、なぜ死後職員として働くことになったのか?
そもそも死役所の存在理由とは…死役所を訪れる人や職員が死んでなお「自分の人生はなんだったのか」と考えており、そちらのドラマも面白い。
作者の“あずみきし”は元役所の職員とのこと
『僕の小規模な失敗』
- ジャンル 自伝漫画
- 作者 福満しげゆき
- 掲載誌 アックス
- 巻数 全1巻
あらすじ☑
業高校入学→中退→定時制高校入学(ガロに持ち込み)→夜間大学入学(いつの間にか中退)→妻と出会うがストーカー扱い→紆余曲折ありまくりの末に結婚→でも漫画で食えないので妻が働くことに。
様々な小規模な失敗を繰り返しながら生きていくお話(全て作者の実話)
高校は中退したり、バイトをやってはすぐやめたり、定時制の高校に編入したが感じる疎外感、紆余曲折ありやっとの思いで入った大学では一人で昼食を食べる日々…
遠回りの人生を送ってきた作者・福満しげゆきの自伝的漫画。
他人事には思えない『劣等感』の掘り下げがキツイ
『デュエル・マスターズ』
- ジャンル トレーディングカードゲーム
- 作者 松本しげのぶ
- 掲載誌 月刊コロコロコミック
- 巻数 全17巻
あらすじ…
三年ぶりにデュエル修行から帰ってくる父と、デュエル名人のNACを迎えに空港を訪れた勝舞。しかし、そこに父の姿はなく、ボロボロの姿になったNACだけが帰ってきていた。
主人公の小学生、切札勝舞(きりふだしょうぶ)がマジックを通して成長していく様子を描く,遊戯王の次に有名なカードゲームで戦うコロコロ漫画
この漫画の本当の魅力は、作者松本大先生の闇が滲み出たハードな鬱展開と曇らせ展開の数々、そして主人公や主人公の仲間が徹底的に曇らされ続けるからこその大きな勝利のカタルシスがある傑作少年漫画という所にある。
- MTGから急に別のカードに変わる大人の事情全開の転換
- 母親殺害、幼児退行、洗脳、失明など人間の尊厳を奪われ続けるライバル
死者出まくりなハード過ぎる展開、そんな鬱展開からの逆転のカタルシスが燃える
希望を匂わせたうえで一度視聴者に絶望を叩きつけてさらにそっから…
っていう物語の抑揚というか緩急の付け方が凄い漫画です
※【2023年版】OCG!おすすめのカードゲーム漫画12選 深い心理描写と爽快感あるバトル - nounashi.manga
『舞姫 テレプシコーラ』
- ジャンル バレエ漫画
- 作者 山岸凉子
- 掲載誌 ダ・ヴィンチ
- 巻数 全10巻
あらすじ☑
篠原六花(ユキ)は小学5年生。
バレエ教室を開く母のもと、姉の千花(チカ)とともにバレエを習ってきた。そんなある日、六花のクラスに不思議な転校生がやってきた。
その転校生もバレエを習っている様だった…
一人の少女の人としてバレリーナとしての成長物語と共に、バレエ界を取り巻くリアルな現実を見事に描写しているバレエ一家に生まれた小学生のお話。
バレエ漫画なんですが、後半は、子供の怖さとかいじめの問題や、生活保護に自殺などの社会問題も描いており、1部のラストが衝撃で…トラウマ系鬱漫画として有名。
「天人唐草」とか「わたしの人形は良い人形」など、人間の執着、怨念と絡ませるのが本当に巧い山岸涼子さんの作品でこの作品も中々に“鬱”
何度読んでも途中の衝撃的な出来事に呆然としてしまう。結末を知っているのに、一巻に戻ると毎回全てがリセットされて、この少女達が最後まで力の限り踊りきれますようにと願いながら読み進めて、また呆然とする。
落ち込みぎみの時に読んではならぬ鬱展開
※高い表現力!おすすめのダンス漫画10選!競技ダンスにバレエまで厳選しました - nounashi.manga
『狂四郎2030』
- ジャンル SF・恋愛・青年漫画
- 作者 徳弘正也
- 掲載誌 スーパージャンプ
- 巻数 全20冊
あらすじ☑
西暦2030年。
第三次世界大戦が終結して5年後の日本だ。
核ミサイルによる戦争は、80%に及ぶ地球上の人間を消滅させていた。
生き伸びた狂四郎は、空を警護するヘリ巡査になっていた。
そんなある日、科学者の脳を移植された言葉を話す犬・バベンスキーと出会う。
読む人は選ぶが紛れもない名作
遺伝子的に犯罪因子を含む人間を隔離して矯正したり、強制労働させたり、ガッチガチに管理されたディストピアな世界で、主人公が電脳世界で知り合った恋人に会おうと命がけの旅に出るお話
頭は悪いが腕っぷしが強い野生児主人公。巨乳でくびれた女性キャラ、悲しい過去を背負ったキャラがドバドバ涙を流す描写、立体的に描かれるモブキャラ
エロもグロも残酷も下品もてんこ盛りの薦めたいのに薦めづらい漫画、絵柄とギャグとキャラと下ネタと世界観とだいたいが『癖』で構成されているのにも関わらず、魅力に溢れた漫画。人にはおすすめできないが凄い作品。
精神攻撃がえぐい。1話目からきついし地獄を見る…
『卑怯者の島』
- ジャンル 戦争/青年漫画
- 作者 小林よしのり
- 巻数 全1巻
あらすじ☑
舞台は天皇皇后両陛下も訪問したパラオ・ペリリュー島を想定した南の島。玉砕戦に臨む日本兵を主人公に、壮絶な戦闘シーンと極限の人間ドラマを描ききる。
日本の戦争ドラマにありがちな「反戦平和」や「お涙頂戴」などのお約束をすべて排除し、戦争のリアルだけを追及した作品
陛下がご訪問されたペリリュー島玉砕をモデルに、戦争に赴いた普通の青年が葛藤し迷い極限状態で振れ続ける兵士たちを描いた、戦争漫画としては一つの到達点の作品
「だから人権は大事!」とか「戦争はだめ!」みたいな説教は用意せず、人間が血を流して命を燃やす様を徹底的に無情に描いて、読者を完膚なきまで打ちのめす…勇敢と卑怯さの自責の念に揺れる苦悩が戦時の精神のリアルさを感じる漫画
ラストは、え?え?そうなるの?まじで?という大どんでん返し。マジで衝撃的…。
- 戦争賛美でも否定でもない。
- 戦争の「リアル」を通じて、徹底的に後味の悪さを突きつける
※『リアル!』おすすめ戦争漫画35選!戦後や太平洋戦争など実話を基にした作品を中心に紹介 - nounashi.manga
『闇金ウシジマくん』
- ジャンル 経済/犯罪漫画/クライム
- 作者 真鍋昌平
- 掲載誌 ビッグコミックスピリッツ
- 巻数 全46巻
あらすじ☑
丑嶋のもとを毎朝9時に訪れる「奴隷くん」と呼ばれる人々。
それはパチンコ依存症の主婦たちのことで、丑嶋は彼女らに3万円の現金と引き換えに5万円の借用書にサインさせる。
あらかじめ金利・手数料2万円を引いた上、1日3割もの暴利を課しているにも拘わらず、今日も彼の会社には哀れな訪問者が引きも切らない…。
10日で5割という違法金利で貸し付ける闇金の世界を描いた漫画
過激に絡み合うブラックな人間関係が描かれ、金に溺れるドラマは人間の本質に迫れる、悪くてずるい人間だらけの世界のストーリーが淡々と進んでいき、微塵も救いが無くて不幸のドン底で鬱で不愉快になってトラウマ引きずる
山田孝之の存在感が光る実写も魅力的ですが、原作の「ウシジマくん」も中々の破壊力
※【知らないだけ】実写化の成功例/失敗例をまとめて紹介【アニメと漫画にドラマも…】 - nounashi.manga
『なるたる』
- 作者 鬼頭莫宏
- 掲載誌 月刊アフタヌーン
- 巻数 全8巻(新装版)
あらすじ☑
星が、その子を導く――。
今年小学校6年生の玉依(たまい)シイナが島で出会った、人の認識外のモノたち・乙姫、成竜、そしてホシ丸。
シイナの日常が今、ゆっくりと、しかし確実に変わりだす。
小六の女の子が夏休みに星型の謎の生物に出会う所から始まる物語
なるたるは骸なる星、珠たる子の略、1巻の表紙はほのぼのしてるように見えて話はかなり重い。人間に恨みでもあるんじゃねーかってぐらい酷い内容で、表紙に騙されると4ぬ
みみずジュースの辺りで、泣きそうだったし、終盤は地獄「うわぁあわぁあわぁぁわあわ」と半泣きで読んだという記憶が強すぎて、シーン事態の記憶がないレベル
作者が病んでる時に描いた漫画ということで本当頭おかしい漫画
『ザ・ワールド・イズ・マイン』
- ジャンル 青年漫画
- 作者 新井英樹
- 掲載誌 週刊ヤングサンデー
- 巻数 5冊
あらすじ☑
本能のままに暴力を振るい続ける、狂気じみた謎の男 モン。
そのモンに憧れ、破壊行動に協力する爆弾魔 トシ。
旅を続けながら二人は爆破テロを繰り返す。
時を同じくして、巨大な熊のような謎の怪獣「ヒグマドン」が突如日本に出現、圧倒的な力で人々を殺戮していく…。
正体不明生物ヒグマドンと理由もなく殺人を重ねるモンちゃんとトシのお話
特に意味もなく大量殺人や強姦を繰り返し、「俺は俺を肯定する」「命は平等に価値はない」と呟くサイコパスと、それに魅せられ堕ちてゆく1人の青年を描いた作品
暴力描写がやたら生々しく、最初から最後まで死ぬ側の人間に感情移入してしまう。
作者の言葉を借りれば道徳の教科書なんて言われたりする漫画
大量な殺人鬼として登場する母親のエピソードがえげつない…
『ブラッドハーレーの馬車』
- ジャンル 西洋
- 作者 沙村広明
- 掲載誌 マンガ・エロティクス・エフ
- 巻数 全1巻
あらすじ☑
資産家・ブラッドハレー家の養女になることが、孤児院の少女たちの憧れだった。
ブラッドハーレー聖公女歌劇団で華々しく活躍する...
そんな期待に胸を膨らませた少女たちがたどり着いた先は、暗い暗い塀の中…
凶悪な囚人たちが暴動を起こさないように、年に一回年端もいかぬ少女を長期・無期服役囚が集まる刑務所に、性奴隷として放り込まれる何の救いも無いお話
救いも行き場もない夢見る少女たち、尋常ではない不快感と後味の悪さと、それを引き立たせる綺麗な絵が印象に深く残る作品
読後に不快感、絶望感、胸糞の悪さばかりが残る
『ミスミソウ』
- ジャンル サスペンス/ホラー
- 作者 押切蓮介
- 掲載誌 ホラーM
- 全2巻(完全版)
あらすじ☑
半年前、父親の仕事の都合で東京の学校から大津馬村[注 2]の大津馬中学校に転校して来た野咲春花は、クラスメイトからの壮絶なイジメに遭っていた…。
いじめ大好きクソJK達に家族を焼き殺された主人公が復讐に向かうお話
雪の降りしきる閉鎖的な村で展開される、破滅的な青春模様。
閉鎖的な田舎で登場人物は全員狂っており、陰湿で行き過ぎたいじめ、暴力、血みどろ、スプラッター描写、血&雪&ナイフ&ボウガン&目玉、全く救いの無い展開で鬱まっしぐら
画も綺麗だし寓話的な雰囲気と軽快なバイオレンス描写に戦慄、血で血を洗う復讐劇、田舎の白く美しい舞台だからこそより凄惨さが際立つ
脳裏に焼き付く凄惨な描写、本当に白い雪、赤い血が映える
『幸せのひこうき雲』
- ジャンル ヒューマンドラマ
- 作者 安達哲
- 巻数 全1巻
あらすじ☑
両親の離婚問題で、田舎の祖母の家に預けられた少年・丸籐竜二。
ひっこみじあんな彼は、転校した学校でも仲間に溶け込めず、孤立していた。
ある日、日直で残された教室で、担任の美人教師・西條美津子のスカートを覗いてしまう。
「バラされたくなかったら言うことを聞きなさい」それから竜二の、美津子の性奴隷としての日々が始まった…
超絶きれいで怖い女の先生と、親に捨てられた生徒のお話
田舎で鬱屈する小学校の美人女教師が、まだ精通してない内気な男子生徒に、イケナいことする(教え子を用いての性欲処理)先生への憧れが、歪な形に歪んでいく物語
最後のページまで読み切れば何とも言えない読後感が味わえる。
『惡の華』
- ジャンル サスペンスホラー
- 作者 押見修造
- 掲載誌 別冊少年マガジン
- 巻数 全11巻
あらすじ☑
ボードレールを愛する、文学少年・春日高男(かすが・たかお)。
ある日、彼は、放課後の教室に落ちていた大好きな佐伯奈々子(さえき・ななこ)の体操着を、思わず盗ってしまう。
それを、嫌われ者の少女・仲村佐和(なかむら・さわ)に見られていたことが発覚!!
バラされたくない春日に、彼女が求めた“契約”とは……!?
中学生の男子が好きな女の子の体操着を盗んで、それをクラスの嫌われ者の女子に視られてしまい「ある契約をさせられる」とうというお話
思春期特有の精神的彷徨と自我の行方を描いた青春漫画
8巻までは読み終わったあと死にたくなるような鬱描写の数々、思春期トラウマのこじらせる展開、気持ちよく進めなかった者にとってはまるで呪いのような作品。
今を生きる少年少女のトラウマ漫画にしたるで~という漫画
『群青にサイレン』
- ジャンル 野球/青春
- 作者 桃栗みかん
- 掲載誌 月刊YOU→少年ジャンプ+
- 巻数 全12巻
あらすじ☑
修二と空はイトコ同士。
かつて空のせいで野球をやめた修二は、高校の入学式で空と再会。
体の小さな空を見て、「今なら勝てる」と思った修二は野球部に入部することに…。
野球を題材に主人公の幼馴染への嫉妬と自己嫌悪を描いたお話
思春期のメンヘラ男子によるドロドロ陰鬱感情のオンパレード
いちご100%の桃栗みかんが美麗タッチで描く、男子高校生のエモーショナル感情が野球ボールよりも飛び交い、金属バッドで心がぐっちゃぐちゃに殴られる
思春期の心の機微を大体えげつなく、時にさわやかに、スポーツ物のそういう嫉妬とか羨望とか憧憬とか嫉妬、青春の痛みが詰まっている作品。
男同士の昼ドラマみたいな漫画
『サイボーグクロちゃん』
- ジャンル アクション・ギャグ
- 作者 横内なおき
- 掲載誌 月刊コミックボンボン
- 巻数 全11巻
あらすじ☑
世界征服をたくらむ科学者“ドクター剛”により、不死身のサイボーグボディに改造された史上最強猫“クロ”。
そんなクロちゃんを中心に、剛くん、ミーちゃんといった個性的なキャラクターたちによるドタバタバトルが、みんなの前で始まるぞ!
よく知られていないが名作漫画
死にかけた黒猫が勝手にサイボーグ化されたお話
理不尽な理屈や鬱展開に対して「うるせー!」とマシンガンをぶっ放し、弾丸で応えるようなクロちゃんのアウトローっぷりに連載当時かなり元気を貰った。
普段めんどく下がりなクロちゃんが、義理や筋は通してじぃさんばぁさんや仲間達の危機には駆けつける姿はとてもかっコ良い
後半は猫同士の野生の抗争からクロちゃんが「サイボーグクロ」になるまでの誕生秘話や、ネグレクトや児童虐待、そしてそこからの再生といった非常にハードで重いテーマを、1999年の時点、児童誌で描ききっていた名作。
ギャグとシリアスとパロディが渾然一体になった銀魂の走りのような漫画
※男のロマンじゃぜ…おすすめのロボット漫画傑作20選!【感動、熱血、大興奮!】 - nounashi.manga
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。以上で“トラウマ必至!おすすめの鬱漫画”の紹介を終わります。
この記事を読んで少しでも紹介した作品に興味を持っていただけたら幸いです