『うしおととら』あらすじ/感想・見所について
『からくりサーカス』『月光条例』などで有名な藤田和日郎さんの大人気少年漫画『うしおととら』。獣の槍の継承者「うしお」が獣の槍に封じられていた伝説の妖怪「とら」とともに最強最悪の妖怪「白面の者」を倒すこの作品。
連載終了から15年以上たった今でもなぜこれだけの人気を博しているのか、この記事を読めば『うしおととら』のあらすじや登場人物・見所を十分理解できる内容となっているので是非最後までご覧ください。
少年漫画の傑作『うしおととら』のあらすじ
まずは『うしおととら』の設定やあらすじ・概要について紹介していきます。
作品の概要について
伝説の「獣の槍」を操る少年・うしおと、五百年ぶりに解放された妖怪・とら。この不思議なコンビが贈るハイパー伝奇ロマン!!
『うしおととら』は、主人公の〝うしお〟が獣の槍で刺され縫い付けられていた〝とら〟の封印を解いてしまうことから始まる物語です。長い連載なのに物語冒頭から伏線の張り方が緻密かつしっかりしてて、少年誌にありがちな無理やり肥大させた物語ではなく、初めから見据えた上での決着は圧巻、最後はページをめくるたびに感動で腹ぁいっぱいだになること間違いなしの漫画です。
アニメ版も面白いよ!
『うしおととら』の登場人物たち
『うしおととら』の登場人物たちは全員主人公です!ひとつひとつのエピソードが熱く、それぞれに輝いていて心に残っています。そんな彼らをネタバレしない程度に紹介していきます
蒼月 潮(あおつき うしお)
普通の高校生だったが蔵にいた化物「とら」と獣の槍の邂逅により数奇な運命を辿る主人公。古き良き熱血漢で心優しく嘘をつけないほど真っ直ぐな性格。
普段は優しい熱血漢。設定上、バトル時に人相と性格が変わる。バトルモードになった瞬間が滾る。獣の槍という超常の武器を持つから妖怪に立ち向かうんじゃなくて、素手でも平気で妖怪に立ち向かうという頭のネジが飛んだ常軌を逸した行動をする
覚醒して長髪になるシチュエーションが最高。
とら
蔵の地下室に獣の槍によって封印されていた二千年を生きる大妖怪。
四百年前、先代の獣の槍の使い手に封印され蒼月家の地下に封印されており、雷を操り字伏(あざふせ)、雷獣、長飛丸など様々な呼び名を持つ。うしおに取り憑き、隙あらば食べようとするが槍に阻まれ上手く行かない
一見、乱暴でめっちゃ強くて、可愛くて人を喰らう喰らう言いながら、土壇場で優しい。好物はハンバーガー。
鏢(ひょう)
妖怪に妻と娘を殺され、仇を打つために仙術を身につけた符呪師。
十五雷正法という符術で戦うのですが、15個しか技がないのに無限に多様な戦い方。元はごく普通の一般人だったが、妻子を妖怪に殺され自身も片眼を失い、それ以後妻子の仇である妖怪を探し出し殺す事だけを糧に妖怪退治稼業として闇の世界を生きる。
復讐は何も生まないというよくある台詞に対し、それを覆した最期のシーンは号泣…
彼の復讐劇の最後は泣ける。
白面の者
うしおととら に登場した最強巨大妖怪
何体もの妖怪でかかっても苦難なほど強大、九尾の狐だが、尻尾の一本一本がボスキャラクラスの妖怪、元々かなりの大妖なのに、自分に対する恐怖を食らってさらに強く大きくなる→それを見た妖怪や人間がさらに恐怖→無制限に強くなる。
白面とのラストバトルは何度見ても最高。少年マンガ史上最熱。
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『うしおととら』の見所
槍を手に入れた少年と、槍によって封印されていた大妖怪のバディ
人間&人外のコンビ。霊槍・獣の槍を操る少年・蒼月潮と、500年間封印されていた大妖・とらが衝突しつつ認め合いつつ、数多の妖怪との戦い・交流、槍を巡っての人間同士の争いなどを描いております
喧嘩をしつつも、旅をしながら信頼と絆を厚くしていく過程が面白く、「人外と人間のバディもので戦いのさなかで次第に人間の方が人間味を失ってゆき、冷酷で無関心だったはずの人外がそれに焦りを覚え始める」という「凸凹バディモノフェチ」の性癖のツボをピンポイントで付いてくる。
喧嘩するほど仲がいいって言葉はこの漫画の為にある言葉だなって実感する。
ラスボスとの最終決戦に全てが収束していくストーリー
ラスボスがとにかくただひたすら恐ろしい存在……
それを倒すのに30巻以上費やし、それぞれの思いとか生き方とかストーリーがあって最後に全部繋がって最終的に皆んなの力を借りて脅威を撃退する。
ラスボスの白面は、恐怖や憎悪といった負の側面の塊〝九尾の化け物〟白面との戦い以上に盛り上がるラストバトルなんて、日本の漫画界を見回しても殆どないと思います。
ダラダラ続かないし、目的も明確、熱い友情と宿縁が交錯して、最高かつ最良のプロットを展開し余韻の残るラストを迎える。絵が荒いと敬遠するひともいるけど一度は読んでほしい傑作に仕上がっています。
妻と娘を妖怪に殺され復讐のために生きる鏢さん
鏢さんは、娘と妻を殺害されたことで、その復讐の為に生きた人。
愛すべき妻子も何者かに食い殺されてしまった。それから復讐のために仇を追い続け、地獄の様な復讐の日々へと変わっていった。彼の復讐劇の最後は泣ける。
家族が殺されるシーンやそれを見た鏢の慟哭や、それを嬉しそうに語る復讐相手の紅蓮とか、藤田先生の描写力が強すぎる。
「復讐はなにも生まない」とか「死んだ人はそんなこと望んでいない」とか綺麗事を言う主人公より、正気と狂気の狭間で自己を保ちつつ命を懸けてきっちり仇を討ち本懐を経て父親に戻る「鏢」のようなキャラ設定が最高
藤田 和日郎作品について
藤田 和日郎作品の特徴として半端ない絶望感と、それを乗り越える勇気を感じるカタルシス、話も面白いが、画面から受ける絵の圧がすごい
藤田作品で〝うしおととらと〟人気を二分する作品が〝からくりサーカス〟大切な人を人形達から守る為に、人の体を少しずつ失って「人形」になってゆくという皮肉、もの悲しさ、愛が感じられる傑作…うしおととらと言い、藤田和日郎先生は傑作しか描けない恐ろしい鬼才だと思う。
人は、藤田和日郎の中でも、最初に読んだ藤田和日郎を最高傑作と崇め奉る生き物である
1巻完結も外れ場無いです。
『邪眼は月輪に飛ぶ』1巻完結で何か挙げろと言われたら、必ず入れる1冊。
見るだけで人を殺すフクロウvs最強のマタギのジジイ+米軍+CIAのハイスピード狩猟アクション。わずか一冊に藤田和日郎の良さが全て詰まった良作、とにかく、ミネルヴァが怖い。鋼鉄のハンマーでぶん殴られるような打撃力のある作品です。
名作『うしおととら』
『うしおととら』を紹介しました。
永遠のナンバーワン漫画。好きなものが全部詰まってる、何回読んでも面白い。何年経っても色あせない名作オブ名作少年漫画、知らない人には是非読んで欲しい。