『乙女戦争』あらすじ/感想・見所について
史実にフィクションを加え、歴史上初の銃が戦術に用いられたとされる宗教戦争。フス戦争をフス派側視点をメインに描いた作品「乙女戦争」の魅力をご紹介します。
この記事を読めば、あらすじや見所を十分理解できる内容となっているので、是非最後までご覧ください。
『乙女戦争』のあらすじ
まずは『乙女戦争』の設定やあらすじ・概要について紹介していきます。
作品の概要について
- ジャンル 青年漫画、歴史漫画
- 作者 大西巷一
- Twitter 大西巷一🏠『乙女戦争』シリーズ完結&新連載準備中 (@kouichi_ohnishi) | Twitter
- 掲載誌 月刊アクション
- 巻数 全12巻
乙女戦争はこんなお話
あらすじ…
「家族を殺された少女は、銃を取り、兵士となった!」1420年、ボヘミア王国。戦争により家族を虐殺された12歳の少女シャールカは、フス派義勇軍の英雄ヤン・ジシュカに導かれ、仲間たちと共に反カトリックの戦いに身を投じていく。
様々な宗教が交差した15世紀ボヘミア(チェコ)を舞台に、カトリック派とフス派の戦いを舞台に「差別」「乙食」「戦争」そんな絶望の時代の中で、戦争により家族を虐殺された12歳の少女が誰よりも勇敢に戦う物語
かなり凄惨な内容の漫画です。
『乙女戦争』の見所(ネタバレなし)
中世ヨーロッパの過酷な宗教戦争「フス戦争」
「乙女戦争」の題材はフス戦争。「フス戦争」とは1419~36に起こったカトリックと反カトリックの宗教戦争。チェコではこれで歴史が終わったと言われるぐらい凄惨な宗教戦争の物語、
表紙を見るとロリコンホイホイなんだけど、中身は血みどろ中世ヨーロッパの宗教戦争モノ、登場人物が濃い点も魅力で、毎巻ごとに欝展開&ハードな内容で読み応えのある内容なので歴史好きには非常にオススメ
宗教戦争を少女の目線から描いた作品
これまで余り描かれる事の無かった宗教戦争を少女の目線から描いているという点でも面白く、冒頭からエグい展開の連続。異教徒狩りに遭いすべてを失った主人公の少女・シャールカが後にフス戦争の英雄と称された隻眼ジシュカの率いる傭兵隊に加わる所から物語が出発していく。
戦争の犠牲者ともいえる主人公の12歳の少女の視点で、史実に基づいた凄惨な戦争を描いており、死亡フラグのオンパレード、展開のまとまりのよさ、泥沼の中で繰り返される狂気のノンストップ感がたまらず、ページをめくる手が止まらない。
理想主義と現実主義と、汚い手を使ってでも勝とうとするそれぞれ。
中性の闇、洒落にならん展開
中世ヨーロッパの闇が容赦なく描かれており、恩師の死や血みどろな戦場、飢餓で仲間が死んでいく籠城戦、狂信者の宴、信頼を置く仲間の死など、常に凄惨な現場の中心にいる主人公ヴィクトルカの凄惨な生涯に圧倒される
血で血を洗う史劇であって容赦なくグロい。子供も女も農民も信教で高められた元十字軍と戦っていく、無垢な少女たちが聖歌を歌い、銃を撃ち、敵を倒して喜ぶ姿が眩しい瞳で痛々しく描かれてる
逃げずに描いている作者の大西さんは凄いと思う
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銃が初めて使われた戦争
この戦争の意義は”ピースチャラ”と呼ばれる”銃”の登場。フス戦争は西欧史最初の火器を使った戦いと言われ、非力だった女性・子どもが銃により武装、戦力へ組み込まれ、戦法が変わり、戦争の質も一層悲惨なものへと変化していく。
傭兵隊長ヤン・ジシュカの携帯火器と装甲車輌を組み合わせた戦術や、聖歌隊の存在が物語のキーになってたり、歴史も学べるマニアックでレベルの高い作品
当時最強の騎馬突撃を最新の兵器と戦術で撃破する描写なんか最高よ
大英雄ヤン・ジシュカの存在
世界で初めてマスケット銃と戦車を実戦投入し農民兵を指揮、農民に使い慣れた農具で戦わせることで恐怖心を減じ、重武装の騎士すら倒させる。
フス派の急進勢力を集めた軍勢を組織し、フス戦争において神聖ローマ帝国軍や十字軍を幾度も退けたチェコの大英雄
【🇨🇿チェコ、ヤン・ジシュカ】
— アッキー akkie🇨🇿 (@akkie4747) 2020年3月11日
今年はターボル600周年。
フス戦争時の名将であり、ターボルの英雄、ヤン・ジシュカ像色々。 pic.twitter.com/ZPzruGDqtO
フス戦争に興味を持つ:乙女戦争
『乙女戦争』を紹介しました。「ベルセルク」並みのハードな殺戮・陵辱描写てんこ盛りで相当エグくて面白い全体的にわかりやすく描かれているので知識がなくても十分読めるので文句なしにおすすめです。