本格的な登山からヒューマンドラマ系まで、美しくも険しい山々を舞台に展開される【山岳・登山】を題材にした漫画をご紹介していきます。
ぜひ、お気に入りの一冊を見つけてみて下さい。
人生山あり谷口
あらすじ☑
自然を愛する26歳独身女性漫画家は己を高めるために山へと登るが、悩みを抱え、トラブルに見舞われながらもしたたかに山を登る、台本無しのセキララ・セルフ・ドキュメンタリー。
登山初心者な作者によるノンフィクション
登山漫画と言ってしまうとマジな登山民に怒られそうなくらいに語弊がありますが、とてもじんわりする、ゆるい笑いと軽い危険が満載のプチ登山記録が詰まった作品
読むと不思議と山に登った気分に。登山に興味あるという人にオススメしたい
不安思考の切り替え方と登山でありがちな思考など、思いのほか深い内容が魅力です。
モンキーピーク
あらすじ☑
社員の結束を高める為の、登山レクリエーション。雄大な自然を感じる爽やかな山は、夜と共に惨劇の舞台と化す！
藤ヶ谷製薬３６名が体験した、未体験の悪意とは…!?
社員旅行で山登りに来た一団が遭難して、猿が人を襲い、人が人を欺き、遂には猿と猿が殺し合う極限の山頂を舞台にした物語
- ①猿（敵）の正体の予想がつかない
- ②なぜ殺されるのかわからない
- ③主人公の抱えてる闇が気になる
- ④化け物猿の造形
人が派手に死ぬが物語の見せ場はそこではない。
パニックホラー系にありがちな、終盤になると世界がヤバい！みたいな安易な超展開にせず、話はちゃんと最初の登場人物の中で完結して、山の中で完結する
化け物猿の造形なども含めて、パニックスリラー物とサスペンス好きにおススメです。
逃げ場のない山の中という設定がまた震える…！
ヤマノススメ
あらすじ☑
高校生になったばかりのある日、人付き合いの苦手な少女・雪村あおいは、同級生の倉上ひなたから、「一緒に山へ登ろう」と誘われた。人見知りなあおいはかつてのトラウマより何かと断ろうとするが、ひなたの勢いに引きずられ、彼女の家へと連れて行かれた…。
女子高生の可愛い女の子たちが登山を楽しむお話。
至ってインドアな高所恐怖症の少女が登山をきっかけに仲間たちに出会いながら少しずつ登山の魅力に取りつかれていく、山ガールを題材にした「ゆるふわアウトドア物語」
山の魅力と山仲間と過ごす楽しげな日々、その両方にハマること間違いなし
登山中以外でもポイントがしっかり出てて、実在する山を登っているので、山情報が得られるのもこの作品の大きな魅力
山と癒しを同時に味わえる作品。
山と食欲と私
あらすじ☑
27歳、会社員の日々野鮎美は、「山ガール」と呼ばれたくない自称単独登山女子。
美味しい食材をリュックにつめて今日も一人山を登るのでした。
欲張りウィンナー麺、雲上の楽園コーヒー、魅惑のブルスケッタ、炊きたてご飯のオイルサーディン丼等々。
単独登山女子が登山飯を食べながら山を登るお話。
楽しそうに料理を作り、美味しそうに食べる。山の楽しみ方、登山飯の作り方が丁寧に描かれていて本当に美味しそうなので飯テロ漫画として優秀
作者が、「社会人の趣味漫画」という認識で描いているという通り趣味を全力で楽しむ等身大の主人公がとても魅力的な作品。
山で作る美味しそうな料理、食べる幸せそうな表情、癒される漫画
孤高の人
あらすじ☑
孤独な青年・森文太郎は転校初日、同じクラスの宮本にけしかけられ校舎をよじ登ることに。
一歩間違えば死んだかもしれない、だが成し遂げた瞬間の充実感は、今までになかった「生きている」ことを確かに実感するもの…。
実在した登山家・加藤文太郎の一生を描いた同名の小説が原作。
孤独になりたがり、ストイック過ぎて社会不適合者みたいになってるイケメンクライマーが、前人未到のK2東壁を目指す登山漫画
孤独になりたがる一人の根暗な青年が山登りに目覚め、ソロで登った時確かに山と繋がる感覚を得て、人間社会と自分の理想との狭間で生きている実感を得るため登山へ挑む
登山漫画としても秀逸だけど、物語を包む緊張感を高い画力で表現、精神の葛藤や人生の目的、厭世、など言葉に出来ないものの描写が秀逸な作品。
臨場感溢れる圧倒的な画力や鬼気迫る表現力にも圧倒される。
岳
あらすじ☑
秋の北穂高岳。登山中の中年男性・黒岩が、雪に足をとられて崖から転落、腕を骨折して動けなくなってしまった。
山麓の警察署では下山時刻が遅れていることから、山岳遭難防止対策協会のボランティア・三歩に救助を要請することに。
見かけは頼りなさそうな三歩だが、ヒマラヤや南米の山を歩いてきた経験豊富な救助員で…。
南アルプスを舞台とした山岳救助を題材としたお話
派手な展開は控え目に山の魅力＆遺体遺品探索・救助中の死など、山の怖さが満載
無益で優しく欲も無く、主人公がどこまでも前向きで人物像に好感が持てる。
主人公の三歩は、いつも真っ直ぐでポジティブで決して自分を飾らない男
時に命に関わる怪我を負った様々な遭難者の元へ駆けつけて
彼はいつも笑顔で「よく頑張った」「山を嫌いにならないでね」と言う
この主人公と厳しい山の対比が素晴らしい作品。
主人公・三歩の笑顔に、すごく元気をもらえるのです！
山を渡る
あらすじ☑
伝統ある、三多摩大学の山岳部。だが今年の春、部は存続の危機を迎えていた。
理由（１）新入部員は女子３名のみ。
理由（２）全員、登山経験ナシ。
理由（３）彼女たちの特徴は虚弱、ゲーム狂い、読書好き……。
そんな「山ガール」ですらない３人を抱え、山岳部は果たして活動していけるのか！？
部員不足で廃部寸前の部を存続せんとする非・運動系の新入部学生の３人と、バリバリ山登りしている先輩学生部員３人の合計６人の大学の山岳部の日々が描いた交流記
体力ゼロ、ゲーマー、本の虫という共感性の高い３人が出てきて、初心者に寄り添って物語が進むので後輩達と一緒になって一から登山を楽しめる。
歩き方、必要な装備の確保・メンテから始める順を追った丁寧な教示と、誠実な内容と活き活きしたキャラとゆるいギャグとでバランスがとても良い作品。
個性的なキャラに加え、登山の魅力がミッチリ。
神々の山嶺
あらすじ☑
エヴェレスト初登頂の謎を解く可能性を秘めた古いカメラ。深町誠は、その行方を追う途中、ネパールで“毒蛇（ビカール・サン）”と呼ばれる日本人男性に会う。
彼がネパールに滞在する理由とは!? そして、彼の正体とは…!?
山を愛し、山に目覚めたおじさん2人が誰も成し遂げたことのないエベレスト冬期何西壁無酸素登頂に挑む話。
実力がありながらも資金不足等の理由で日の目を見ない主人公と脚光を浴びる真逆の人物の関係、行方不明だった天才クライマーの挑戦を追う山岳カメラマンのドラマ
原作に忠実な漫画ですが、谷口ジロー先生の画力がふんだんに使われてて全話魅力的で素晴らしい、読み応え十分で登山系漫画で一番濃厚な作品です。
高尾の天狗と脱・ハイヒール
あらすじ☑
ワガママが原因で彼氏にフラれた、三十路OL御岳ノリコ。傷心プチ旅行で向かった先は、世界一の登山者数を誇る東京の山・高尾山！
ナメてかかってハイヒールで登ったせいで挫けそうになったノリコの前に現れたのは、高尾に住む子天狗で…！？
30代のOLが子天狗の聖と毎月高尾山でデート登山する４コマ。
ハイヒールで登山するような三十路OLと高尾山の住む天狗の子に癒される
楽しそうで、徐々に登山に惹かれていって、でも気軽に来てる感じで、表紙の雰囲気通り読んでて「いいな・・・」と思わされ魅力がある作品。
春夏秋冬の高尾山を楽しむ四コマ
未亡人登山
あらすじ☑
風の音、虫の動く音、沢を流れる水の音、心臓の音――「山に登っているときだけ、生きている心地がする」と山に魅せられ、山を愛する男――加賀山峻(かがやま しゅん)。
彼がある日出逢ったのは、山には似つかわしくない風貌の独りの女性、千堂 椿(せんどうつばき)だった。
見るに見かねて同行した加賀山は、彼女が”山を登る理由”を知ることになり…!?
亡くした夫の手記に沿って山に登って記憶を辿る女性と単独登山男子との登山物語
未亡人ってつけるだけでなんかドラマ生まれるのを期待してタイトルにしてる感じが乱暴な印象だが、主人公二人の持つ背景と、山に潜む死の危険が組み合わさっている。
山の魅力だけではなく、強く生きる人の魅力が詰まった漫画
あとがき▼
今回ご紹介した5作品はどれもスリリングな作品ばかりです
それと同時に山が持つ魅力も味わえる作品です。
普段の目線では見ることのできない山の世界をゆっくりと体感してみてはいかがでしょうか。以上で「おすすめの山漫画」に関する記事を終わります
