自分をJKと思い込むおっさん…【女子攻兵】感想・見所を紹介

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松本次郎による漫画「女子攻兵」、『月刊コミック@バンチ』で連載され、単行本は全7巻おっさんが女子高生のロボットに搭乗して戦うという、超ハードなSF・戦争モノで、品性を疑われそうなので中々人には勧めづらい漫画ですが、エログロに人情劇にSFにメタを凝縮し根強いファンを獲得している作品でもあります。当記事では、作品そのものがどこを取っても狂気に満ちているSF漫画「女子攻兵」のあらすじや見所を感想を交えて紹介していきます。

 

 

 

女子高生型巨大兵器「女子攻兵」!

作品について

次元世紀2011、新東京都市。そこでは異常な兵器を使った異常な戦争が行われていた。兵器の名は“女子攻兵”。女子高生型巨大ロボである。女子攻兵の登場は、今までの戦争の形を変えてしまった!主人公・タキガワ中尉率いる第13独立女子攻兵猟隊、通称“ハイエナ部隊”は制御不能となった女子攻兵を始末する殺し屋部隊。今回もいつもと変わらない簡単な任務のはずだった……しかし、彼らの前に現れたターゲットは想像を超える最悪の化け物だった!

巨大女子高生型次元兵器『女子攻兵』に乗って泥沼の戦争を戦うお話。ギャグみたいだけど相当にシリアス。狂気みたいだけど極めて正気。素晴らしく重厚なSF作品、Webメディアサイト・コミスペ!でライターのインタビューが掲載されました、(「汎用人型決戦兵器 人造人間」)エヴァンゲリオンを女子高生とするとイメージがわきやすい」と語っています。

 

グロ注意?【女子攻兵】のおすすめの見所

ここでは、「女子攻兵」のおすすめの見所を厳選して紹介していきます。

 

自分の事をJKだと思い込んでいくおっさん

「女子攻兵」は、おっさん兵士が巨大な女子高生型の人造人間に乗り込んで戦争をする話なんですけど、物語が進むにつれて薬物とストレスで弱っていく本物の肉体と、乗れば乗るほど身体に馴染んでいく女子高校生の肉体どっちが本物なのか分からなくなってしまい、そのうちに狂った行動を繰り返すようになる…という設定で一種のTS(性転換)漫画にもなっている倒錯が面白い。

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(出典:『女子攻兵』)

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(出典:『女子攻兵』)

ちなみに、なぜ巨大兵器が女子高生型なのか?女子攻兵が学校の制服を着用していて、排泄までするのか?、細部まで若い女の子型といった理由は作中では説明されておらず、未知、ひたすらに独創性のあるSFになっている。

 

 

しっかりとしたSFとしての骨格

異空間から襲いくる敵を撃退できるのは、JKの姿をした巨大人型兵器「女子攻兵」、誰もが真実から目を反らし続け、兵器と女子高生のカオスな二面性を融合させていく中、世界の真実を探していく様もまたカオス。 

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(出典:『女子攻兵』)

 一見なんともキワい設定ながら、未知のテクノロジーで作られた女子攻兵に乗ってるうちに搭乗者は徐々に精神を侵されていくという緊迫感によって、ギリギリのバランスでちゃんとシリアスな「戦場もの」としての体裁を維持してる

巻が進むにつれて世界観の全貌が明らかになっていくSFのアイデア・骨格はとてもしっかりしている漫画となっています。

 

気が狂いそうな作品

世の中には二種類の人間がいる。『女子攻兵』の狂気を笑える人間と、唾棄してしまう人間と

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(出典:『女子攻兵』)

確かにこの作品には予想を裏切る面白さがある。でもエロ・グロ満載で絵のタッチも独特だから嫌いな人は大嫌いだと思うからあんまり人にはオススメしずらいのも事実です、オッサンがJKを演じながら「俺は狂ってない…」と戦って、でも精神汚染されると自分をJKと思い込む…という訳の分からない設定に惹かれたら読んでみて下さい。

万人受けはしないと思うけどハマる人にはとことんハマる漫画だと思います。

 

松本次郎のプロフィール

松本次郎先生は19700年8月20日生まれで、東京練馬区出身です。

武蔵野美術大学を卒業され、2001年より『フリージア』(2007年には映画化)という作品でデビューしています。そして現在も、「コミック乱ツインズ」で連載されています。

 

まとめ▼

今回は「女子攻兵」の魅力をざっくり紹介しました。エヴァサイズのJKにおっさんが乗ってドンパチ、飯も食えば失禁もします。『ドロヘドロ』に通じる頭の中ぐっちゃぐっちゃになる感じの問題作、あらすじを読んで惹かれた方は是非一度読んでみて下さい。今までに読んだことのないSFが読めると思います。