『サユリ』ホラー漫画の夜明け。あらすじ/見所について
「ミスミソウ」「ハイスコアガール」などで有名な押切蓮介さんホラー漫画「サユリ」をご紹介します、幽霊に対する負け戦を抗いたいという願いが込められた本作は、「ババアが覚醒し、幽霊をバチボコにしばく」前半から後半にかけて怒濤の展開をみせるホラーアクション漫画となっています。
この記事を読めば「サユリ」のあらすじや登場人物・見所を十分理解できる内容となっているので、是非最後までご覧ください。
最強の認知症ババアvs幽霊『サユリ』のあらすじ
まずは『サユリ』の設定やあらすじ・概要について紹介していきます。
作品の概要について
- ジャンル サスペンス・ホラー漫画
- 作者 押切蓮介
- 掲載誌 コミックバーズ
- 巻数 全2巻
あらすじ…
この家に住んでた人って…どんな人だったの…?夢の一戸建てマイホームへと引っ越した神木家。しかし、家族7人揃ってのありふれた幸せを満喫する間もなく次々と不幸で不気味な出来事がこの一家にふりかかる…。
物語前半は引越しした家に住み着いた怨霊に次々と呪い殺される主人公一家を描き、後半からは生き残った主人公とその祖母による反撃が始まる
そして物語後半からホラーというより、一種のホラーコメディへと展開していく
幽霊との戦い『サユリ』の見所3選(ネタバレ含む)
本作はホラー漫画ですが押切作品の魅力とパワーに溢れた作品になっています、「サユリ」には魅力的な登場人物や見所が沢山あるので厳選して紹介します。
理不尽に幽霊に人が殺されていく作品へのアンチテーゼ
幽霊に対する負け戦を抗いたいという願いが込められた本作。「サユリ」は幽霊が人間を一方的に嬲り殺すJホラーへのアンチテーゼ的作品になっています。
「家族呪われました、殆ど死んだor失踪しました、呪いは続く…」みたいなホラー作品が多い中これは凄い。
突如女の子がサイヤ人なる「ミスミソウ」で見られたような幽霊を物理的に殴る描写が特徴的な押切らしい力強いホラー漫画になっていて、自然災害のようで抗いようの無かった作品へのカウンターとなっていて気持ち良い
主人公の祖母(祖母)サイヤ人
かつては気性が激しかったがボケてしまったため、すっかりおとなしくなった〝ばあちゃん(ばあちゃん表記は作中名前が公開されていないため)〟が家族の死をきっかけに認知症だったはずの祖母が覚醒、サユリに徹底抗戦する構えを見せます。
台詞の重みが圧倒的生の肯定で強い。人の狂気で霊の狂気を制したけど、孫の手を汚させないとか分別ついてるヒーローでヒロイン。
要はババアが力と勢いでゴーストバスターする漫画です。面白いに決まってる。認知症気味だった祖母が覚醒するあたりから漫画のジャンルがかなり変わるからカルトとかと似た味わいがあるかもしれない 。
幽霊の超常的な精神攻撃と人間(ババア)の狂気がぶつかり合う
これまでは打ち勝つにしても無念を晴らしてやる系のばかりだけど、サユリはババァの言う処のあちらの土俵で戦わず打ち勝ってるのが面白い
- 幽霊のかつての家族を拉致り拷問
- ジジイとの思い出に付け入られ精神攻撃を受けるババア
など幽霊の超常的な精神攻撃と人間(ババア)の狂気がぶつかり合います。
押切作品の全ての根底にある『生きてる人間が死んでる人間の脅しなんかに負けるわけがない』を地で行く姿がカッコいい
上巻は正統派のホラー(引越し先に幽霊が出て家族が殺されてく)でむっちゃ怖いが、下巻ではまったく雰囲気が変わって唖然とする。上巻で怖くて嫌になっても絶対下巻は買うべき。
押切蓮介/他作品
「サユリ」はホラーの定石を鼻で笑う「霊vs無双ババア」の凄い構図で面白いです。この漫画も「ミスミソウ」と同様に実写化してもらいたい作品です。
押切蓮介作品特有の画力は高くないのに何故かヒロインは魅力的で、またどこかダークな雰囲気を持っている世界観、作者の画力の高さと、登場人物の形相の凄まじさは漫画という枠を超え読み手に衝撃を与えます。
幽霊を暴力で黙らせる漫画
熱血ゲーム恋愛モノというこれまた心境知的な漫画、同じく傑作
里離れた雪の田舎の学校で壮絶ないじめを受け続け家族全員を焼き殺されてしまった主人公野崎春花がクラスメイト達に次々と報復をする
おすすめホラー漫画「サユリ」まとめ
サユリ自体、前半は既存のホラー物を踏襲しつつ後半で予想外の方法で対処し始める凄まじい作品なので、アクの強い作品好きにお勧めです、是非読んでみて下さい