『偽りなき者』ラストの狙撃が意味するものは?答えは原題にある!感想/考察

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2012年の第65回カンヌ国際映画祭で、主演のミケルセンが男優賞を受賞し、第86回アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされた、クリスマスを迎えるデンマークの小村を舞台とし、集団ヒステリーの対象となった男性を描く物語「偽りなき者」本記事では、その世界観とラストの意味を紹介します

 

 

ネタバレ『偽りなき者』のあらすじをおさらい

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映画公開直後から、様々な考察を生んだ映画『偽りなき者』。

本作にはラストシーン以外にも見所がたくさんあります。今回はそんな傑作を深堀りし、まとめてみました。

あらすじ…

親友の娘クララの作り話が原因で、変質者のレッテルを貼られてしまったルーカス(マッツ・ミケルセン)。クララの証言以外に無実を証明できる手段がない彼は、身の潔白を説明しようとするが誰にも話を聞いてもらえず、仕事も信用も失うことになる。周囲から向けられる憎悪と敵意が日ごとに増していく中、ルーカスは自らの無実を訴え続けるが……。

人間の固定観念と、集団心理の迷妄を生々しく描き、子供の嘘によってある男の日常が崩れ去るという簡単なあらすじを、深く深く描いた傑作で一見の価値アリの作品

 

映画『偽りなき者』で物議を醸した胸糞のラストシーン

『偽りなき者』は、全体的に色々考えさせられ、すごく苦しくなるような物語の構成となっている。主人公(マッツ・ミケルセン)からその息子、ウソをつき続ける女児、親友たち、それぞれの心理描写がとても上手い村八分の怖さ、冤罪の怖さ、他人事ではないとぞっとする。そしてマッツの怒りを内に秘めた演技が凄過ぎて、ただただ傍観して見ていた。

そして、やっぱりラストが良かった…ラストシーンで主人公が何者かに狙撃される。このラストの捻りが効いて、思わぬ良い映画を観た印象になり「…主人公はこのあとどうなるんだろう」とイヤな余韻で終わる。

余韻を残すラストには、人間の持つ闇の本質を感じます。

 

「偽りなき者」は英題だと「The Hunt」原題だと「Jagten」で日本語に訳すと"狩り"

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ラストでモヤモヤしたので色々調べて見たのだが、原題を英訳した英題は「Hunt」つまり狩猟となる。混乱を招く邦題は駄目過ぎ…と思ったが、原題直訳が“狩り”と知った瞬間は、驚愕した…。ラストの意味が分かり度肝抜かれた…………これは物凄い映画だ。

point

盲信した者に事実など無に等しい。この映画の主人公は、まさに狩られていたわけだ…

「偽りなき者」はルーカス視点、即ち弱者側の視点が日本人には響くからこれで良いのかなと思ったり、実際タイトルが「狩猟」だったら,この作品を見ようと思ったかは分からない。

 

「子どもと酔っ払いは嘘をつかない」デンマークの有名な諺だそうです。

「子どもと酔っ払いは嘘をつかない」その〝ことわざ〟を信じて疑わない村人たちの執拗な村八分にあう主人公(マッツ・ミケルセン)。その悲惨な仕打ちに始終嫌悪感を受け続けた。心の蔵にドス黒く突き刺さる

 

犬殺しとラストの犯人はクララの兄?誰?

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犯人候補は何人かいる

  • グレテ

下ネタに吐き気を催す園長のババア。

彼女は下ネタを言う相手は全部敵みたいなそんな感じがします。正直コイツが一番腹立った

  • クララの兄

兄はポルノ画像をiPadで妹に見せて友達と囃し立てる場面が最悪だった。「偽りなき者 犯人」で検索すると、「クララの兄」と出てくるので、こいつが一番疑われているみたいですね。

 

レビューを漁っていたらこんなものがあった。

犯人て?あ~怖 - ユーザーレビュー - 偽りなき者 - 作品 - Yahoo!映画

愛犬を殺したロープ(縄跳び)は青いバケツに入れて、あの人が持ってたし、ラストで銃を撃ったシルエット

木の影から女走りで逃げたのもあの人ですね

銃はお母さんが渡したし

犬殺しを手伝ったからスーパーの前に停めた車の中で娘に犬の事を聞かれた時にあんな態度をしたのですね

お兄ちゃんが犯人なんて書いてる人が何人かいるけど お兄ちゃんだけ左利きだから銃の持ち方から ありえない

女を怒らせたら怖いと言うメッセージ

余裕がある人はもう一度見て確認して見てください。

 

 

『偽りなき者』ラストの意味についてまとめ

この映画の救いは、ルーカスがクララを全く責めなかったことです。しかし、憎悪を向けられたルーカスは、クララに憎悪を向けようとはしませんでした。ルーカスの優しさ、器の大きさに感服しました。一方で北欧も含め欧州に広がる「保守思想」への警告でも、移民と思われる女性が冷静な判断を見せるのは排除への皮肉ってのは考えすぎかな…、何か感想があればコメント欄で教えて下さい。