”ジャンプ短命連載、だけど名作”『賢い犬リリエンタール』喋る犬のハートフルコメディ漫画の感想・ネタバレ

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ワールドトリガー葦原大介の過去作『賢い犬リリエンタール』のネタバレ・感想(見所紹介) 

 

知る人ぞ知るジャンプの名作『賢い犬リリエンタール』

絵柄から低年齢向けの内容を想像するかもしれないが、読んでいて心が洗われていく・心の荒んだ大人にこそ読んでほしい少年漫画となっています。

 

今回は『賢い犬リリエンタール』のあらすじや登場人物、魅力について僕の感想を添えてご紹介していきます(ネタバレ含む) 

 

『賢い犬リリエンタール』のあらすじ▼ 

https://ogre.natalie.mu/media/news/comic/2009/0914/jump09-42.jpg?imwidth=750

 

『賢い犬リリエンタール』は同作者の『ワールドトリガー』にも負けるとも劣らない秀作で、連載が終了し10年以上たった今でも評価の高い作品です。

そんな『賢い犬リリエンタール』のあらすじや作品ん概要についてご紹介。

 

作品の概要について▼ 

  • ジャンル:サイエンス・ファンタジー・ハートフルコメディ
  • 作者:葦原大介
  • 掲載誌:週刊少年ジャンプ
  • 巻数:全4巻

 

あらすじ▼ 

ある日、日野家の兄妹の元にやって来た"弟"、それは犬だった。

人の心に反応して不思議な力を起こしてしまう喋れる犬リリエンタール

 

日野兄妹と(特に妹のてつこ)リリエンタールの力と、リリエンタールを狙う組織により引き起こされる騒動に巻き込まれる日々を送ることになります。

 

とても優しい世界

リリエンタールの一生懸命さが微笑ましいハートフルな作品です。

 

 

 

みんな優しい『賢い犬リリエンタール』の主な登場人物

とにかくリリエンタールをはじめ、登場人物全員可愛い。敵キャラも憎めなくて良い

そんな主な登場人物をご紹介していきます。 

 

日野リリエンタール

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(出典:『賢い犬リリエンタール』)

 

日野兄妹の両親から弟の名目として送られてきた「犬」

妹のてつこの弟に認めてもらうためと、がんばってる姿を見るだけで泣けるし、心が温かくなるし応援したくなる…

 

弟に欲しい。可愛いし、紳士の紳士っぷりに惚れる。

 

日野てつこ

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(出典:『賢い犬リリエンタール』)

 

てつこは日野家の妹

弟である犬のリリエンタールを「ふつうじゃない」と言って拒絶する

リリエンタールを弟は認めず、基本そっけない態度で、がんこで気むずかしいが、根は素直で話しかけるとやさしい子

 

過去のトラウマから学校を不登校になっている。

 

日野・兄

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(出典:『賢い犬リリエンタール』)

 

優しくてぼんやりしてるお兄さん、機械に強い。下の名前は設定されてない。糸目。

誰かを大事にするのがすごく上手で、言葉選びが秀逸で作者のセンスが光る

「自分の力に悲観的になってほしくない」と考えてリリエンタールの力を終始信じ続けた紳士。

 

春永雪

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(出典:『賢い犬リリエンタール』)

 

てつこの4隣人であり同級生

物静かでクールま性格で神家に関しても論理的に対処する

 

黒服の組織の構成員

リリエンタールを狙う黒服の組織

 

黒服の組織は意外とまともな人間で構成されている

  • リリエンタールを使い若返りを狙うボス
  • 理知的なリーダーであるシュバイン
  • 全てにおいて紳士に拘るウィルバー

マンガにありがちな悪のトップではないというか、なんだかんだいいやつが多く好きになれるキャラがたくさん。

 

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(出典:『賢い犬リリエンタール』)

 

 

心が温かくなる『賢い犬リリエンタール』の見所

切ない話にも楽しい話にも、どの話の中心にもリリエンタールの温かい心があって。

最後はちょっとウルっとくる。そんな、『賢い犬リリエンタール』の特に注目してほしいポイントを厳選してお伝えしていきます。

 

優しい気持ちになれる 

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(出典:『賢い犬リリエンタール』)

 

ふしぎを巻き起こす喋る犬(弟)リリエンタールが巻き起こすあったかい世界

 

月並みな表現だけど悪い奴がいない、悪の組織が出てくるけど皆良い奴

純粋で可愛らしいお茶目なリリエンタールは、ジャンプらしさを持ち合わせていないようにも思えるが、とても少年漫画らしい真っ直ぐな心を持っていて見ていて楽しい。

ほのぼのしつつもしっかり動くストーリー。

 

純真なわんちゃんの一生懸命さに励まされる…

初めはリリエンタールを弟と認めなかった妹・とリリエンタールの姉弟愛が泣ける

 

やはり葦原大介

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ワールドトリガーで見える、台詞のセンスも、構成の緻密さも、壮大さを感じさせる世界観も、透徹として見えるシビアさや諦観と、並立する寂しいような温かいまなざしもリリエンタールの中にあり、すでに垣間見える。

 

画力、構成力、伏線の調理法ではワールドトリガーに譲りますが(後の作品なので当たり前)、リリエンタールの経験は確実にトリガーに受け継がれていると嬉しくなる

 

 

ラストに関して打ち切り臭がすると言われているが、ジャンプ作品とは思えないほど、綺麗なまとめ方で終わっている。と個人的には思う

 

作者さんの人柄がにじみ出てるような、いい終わり方だった。

 

【2019年】心に残った打ち切り漫画!紛うことなきクソ漫画や未だ人気の名作、迷作をご紹介。 - アニメと漫画の読み物( ^^) _旦~

 

対象年齢を低く見積もりながら戦略や伏線も秀逸

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(出典:『賢い犬リリエンタール』)

 

生まれてしまったモノに対する感情や、関係性をどう構築すべきかのテーマが現れる

 

伏線といえばフラグとか謎の提示くらいに思ってましたが、カタルシスの意味が分かる

全4巻と読みやすい量ながら驚異の伏線回収とやさしい後味で、さらに少年漫画らしい熱さも持ち合わせた作品となっている

 

伏線が秀逸な漫画はこちらで紹介▼ 

 

 

 

『賢い犬リリエンタール』:総評

『賢い犬リリエンタール』を紹介しました。

すこしふしぎな世界で、わんこが頑張ります。

個性派で、どこか憎めない多彩なキャラクター陣

敵キャラも魅力的。最終回に向けての展開が胸熱。

 

でも一番の魅力は緩い雰囲気と緩い世界観。

難しい言葉には欄外に注釈があり、低年齢にも読みやすく配力されている漫画です。

長編のミステリーやバトルものに疲れた方は是非手に取ってみてください。