将棋に興味があるけれど、将棋が何なのかイマイチわからない……という方に、
棋士を題材にした『おすすめ漫画』をご紹介します。
将棋の世界に生きるプロ棋士などを描いたこの漫画を中心にチョイス、僕の感想と合わせて楽しんでいただければ幸いです。
聖―天才・羽生が恐れた男
あらすじ☑
棋界に、「次期名人この人あり」と謳われた天才棋士がいた。
村山聖九段。
昭和44年、広島県出身。
幼いころより難病を患い、その限られた生を将棋だけに捧げ、29年の生涯を燃焼させた男。
これは、そんな彼の魂の記録である……
全盛期の羽生善治と互角に戦えた棋士を題材とした作品。
主人公が致命的な病気からスタートする珍しい実話の物語
人生をフルスロットルで駆け抜け、少期から病気と闘った彼の壮絶な将棋人生が描かれていて一冊の内容がとても濃く、素直に感動でき泣ける。
将棋漫画の最高峰、実話の凄みというものを思い知りました。
将棋を知らない方でも泣けると思います。
ひらけ駒
あらすじ☑
将棋に夢中な、小学四年生・宝(たから)。将棋にミーハーな、宝の母。似ているようで、ビミョーに違う親子の目線。
南Q太が描く、“二人だけで紡ぐ魅惑のひととき”!
将棋にひたむきに向き合う少年とそれを支える母の物語
将棋にハマった小学男子と、見守っていくうちに自身も将棋の魅力に触れていく母親
プロも非プロも子供達も将棋と関わってる姿が胸熱
何よりお母さんがとても魅力的で、親子の距離感が心地よく優しくて素敵な作品。
将棋が好きな男の子の物語をお母さん目線で描いていてとてもリアル
将棋めし
あらすじ☑
プロ棋士・峠なゆたが対局の休憩中に食べるメニューとは!?そして、それが将棋にどう影響するのか!
プロ棋士が、主に対局中の休憩時間に食べる食事にスポットを当てた漫画
グルメ漫画と見せかけて、かなり正統派の将棋漫画で、主人公の成長物語としても、名人も個性的で、ライバル含めた人間関係の物語としても面白い。
女性棋士を主人公とし開口の広い造りだが、棋士達それぞれの得意とする戦法やその背後にある人生観の描写はキッチリと奥深い内容。
将棋の内容を初心者に分かりやすく説明するためのツールとしても食事情報は使われてきて、棋譜や棋士と食事を基に自分で自由に楽しめる作品です。
プロ棋士達のご飯と棋風・勝負の展開を絡めた漫画。
宗桂
あらすじ☑
安永四年(1775)、江戸――実在した将棋指し。江戸には代々、将棋で俸禄を得る「将軍家将棋指南役」、つまり幕府公認の将棋指しがいた。
実在した「将棋御三家」である。
御三家筆頭・大橋本家当主にして、後に八世名人を襲位する「九代目大橋宗桂」と、彼を巡る将棋指したちが織りなす葛藤と真剣勝負…
江戸時代に実在した将棋指し九代大橋宗桂の物語。
将棋で俸禄を得る“将軍家将棋指南役”、幕府公認の将棋指し「九代目大橋宗桂」の本格将棋ドラマ、“将棋をしっかり描いている”のに“初心者も理解できる内容
トッププロ棋士渡辺明二冠監修なので、物語に厚みが出ています。
リボーンの棋士
あらすじ☑
プロ棋士養成機関・奨励会で、四段に上がれないまま26歳になった安住浩一は、年齢制限の掟により退会させられ、プロへの道を閉ざされた…
そこからは、人から距離を置かれ、年下からも見下される日々。それでも安住は、明るく笑顔で前向きに振る舞った。
嫉妬は、湧いてもそれをかき消した。
そうしているうちに、眩いほどのプラスオーラが身についた。
将棋を忘れて、この生き方でいいはずだ、とも一時は思った。
しかし、人生から将棋を切り離せなかった。
アマ棋士としてのリスタートを決意する、安住。
その棋風は以前とは違う、まったく新しいものに進化していた。
プロになれずに年齢制限を迎えてしまった主人公が、再びプロ入りを目指す物語
プロ棋士の夢が「終わった」青年が再び将棋に目覚める!
奨励会最大の厳格なルール、年齢制限…そこから脱落し、はじめて「生きる」ということと直面した主人公・安住…挫折した元・天才少年の骨太のドラマ
地味なストーリーにやや拙い絵柄ながら、登場人物それぞれの抱える様々な思いが描写されていて、緩やかな絶望、失望、迷いの表現が秀逸でグッと来る。
将棋漫画の中では一見地味かと思いきや、めちゃくちゃ面白い作品です。
「人間」が描けている。ドラマティックなストーリー構成力が強い
永世乙女の戦い方
あらすじ☑
華麗で獰猛な美しき乙女たちの戦い!81マスの盤上で激しく戦う乙女達!
高校2年生の早乙女 香が目指すのは、将棋界の遥か高み。彼女の前には、美しくも獰猛な乙女達が立ちふさがる。
なによりも熱く、そして冷徹な戦いが今始まる!
女流棋士女子高生の物語。
シリアス側に寄った作風で、無限に少女女性が感情をぶつけ合う将棋漫画。
画がとても綺麗で女の子たちが皆可愛くて個性的!
日常パートと対局パートの表情の差、女子ばっかりで百合の波動と空気感が魅力
出て来るのは女の子が多いのだが、ゆるゆりな雰囲気ではなくヒリついたやり取りが多く、将棋を通して繰り広げられる感情のぶつけ合いが楽しい、紛れもない百合漫画
女の子がみんな将棋で相手殺そうとしてる。ガチ勝負感が魅力。
月下の棋士
あらすじ☑
将棋盤上の大宇宙に人が見るのは「神」か「悪魔」か。時の名人はただ一人、それを決めるのは「神に選ばれし者」。
将棋界の頂点への過酷な戦いを主人公「氷室将介」と最年少天才名人「滝川幸次」…
棋界の暴れん坊の血を継ぐ破天荒な若者が将棋の世界で登っていこうとする物語
天才的な主人公が名人を目指していく物語で、棋士の心情や言動描写が非常に強烈
相手を目の前にして長時間ひたすら向き合うという状況こその濃密な会話劇が特徴
実際のプロ棋士をモデルにしたキャラも多数登場しているのも大きな特徴で、これを読むと羽生善治はバケモノに見えてくる。
将棋を知らなくても十分に楽しめる。一番有名な将棋漫画
3月のライオン
あらすじ☑
その少年は、幼い頃すべてを失った。夢も家族も居場所も──。
この物語は、そんな少年がすべてを取り戻すストーリー。
「将棋」のお話というよりは、「将棋を職業とする戦う人」のお話
将棋指しのお話なのだが、ストーリーも家族の事や過去のことも含め、年代もキャラも異なる棋士1人1人を取り巻く人間模様が深く…切なく…詳細に描写されいる。
将棋、青春、人間模様、人生の苦い甘い酸っぱいが盛りだくさん。
長く生きてれば、たまに胸が締め付けられるほど悲しく辛い事もあるけど、守り守られ、優しさと強さをと合わせた人間になりたいと思わせてくれる漫画
当記事で最もおススメしたい漫画です。未読の方は是非
ハチワンダイバー
あらすじ☑
表のプロとは違う、賭け将棋をなりわいとする「真剣師」の青年・菅田。
アマ最強を自負する彼を倒したのは、秋葉原の女真剣師だった!
奨励会を年齢制限でプロ棋士になれず退会して真剣師(賭け将棋)になる主人公の物語
- 前編を通して画面の圧がすごい。
- 将棋なんだけど結構人が死ぬ。
- あと後半は半分ぐらい格闘戦になる。
話の一つに持ち時間50時間、休憩なしで戦う「100時間将棋」なんてのもある(何やってんだこいつら…w)って思うかもしれないが、展開がめちゃくちゃ熱くて泣ける。
勢いが次元を超えているので、“三月のライオン”と一緒に読むと脳が混乱する。
痛快で熱いバトル、爆笑と号泣の熱血青春漫画
紅井さんは今日も詰んでる。
あらすじ☑
紅井小馬・高校一年生。世間は彼女を、「天才美人棋士」と呼ぶ。
だが本人は言う、「私は奨励会員であって、まだ棋士ではない。」と。
現在、奨励会1級。
「プロ棋士」を目指し将棋に全てを捧げる彼女は言う。
――『将棋以外、したら負けだと思ってる。』!!??
天才美人棋士と呼ばれる紅井さんに振り回される先生と、黒木成が織りなす日常系漫画
絵が可愛く、女子2人の残念な部分だけを切り取った将棋(?)4コマ
随所に「全駒」とか「面倒を見る」とか将棋用語を題材にしてて、楽しく将棋の勉強ができる、細かな将棋ネタが沢山出てくのも大きな魅力
盤上の詰みと罰
あらすじ☑
霧島都、元6冠王の女流棋士。5年前のとある対局をきっかけに、1ヵ月ごとに記憶がリセットされるようになってしまった。
忘れてしまったその相手を探し出すため、彼女は全国将棋ひとり旅へ…
一ヶ月で記憶がリセットされるようになってしまった元女流六冠棋士の物語
ある秘密を抱えた将棋好きの少女が、対局相手を求めて日本全国旅をする
一方で将棋が解らなくても楽しめるように仕立てられたドラマとキャラは上質で、全2巻でお話は綺麗に完結していてなおかつサイドストーリーも秀逸。
将棋の醍醐味や勝負の熱さはしっかり描写している作品。
女の子も可愛く、綺麗に物語が収束して読後感も心地よい。
りゅうおうのおしごと
あらすじ☑
史上最年少の16歳で将棋界最高位「竜王」となったプロ棋士・九頭竜八一。
そしてその下に、弟子にして欲しいと押しかけた少女・雛鶴あい。
苦悩する若すぎたタイトルホルダーは、将棋に真摯に向かい合う弟子を通して、自分の将棋を取り戻し……え、あいちゃん9歳なの?
将棋界最高のタイトル竜王となった「九頭竜八一」とその弟子「雛鶴あい」の物語
女子小学生ながら勝負の世界にはいっていく挑戦の厳しさや、お姉さんが年齢制限の中でもがく姿など「感動」ポイントが多い作品
時代に沿った新しい将棋の進化やこれまでの文化がテンポ良く描かれている。
将棋を通した熱い勝負。将棋会の人間関係。
「成長」「笑い」「感動」「熱量」全てにおいて素晴らしい作品です。
アイシールド21にも通ずる天才と凡人の「才能」のお話
あとがき▼
今回紹介した漫画では、厳しい将棋界を垣間見ることができます。
将棋漫画には、定跡や詰め将棋といった解説書だけではなく、将棋を知らなくても読めるエッセイなど様々です。ぜひこの機会に、あなたも将棋の世界に触れてみて下さい。